正月にこの本を読んでいたら、孫の一人が「じいちゃん、何読んでるの?」と聞いてきた。「ウンチの本」と答えると「えー、うっそー」 そうしたら四年生の孫が「あ、ほんとうだ、だいべんつうって書いてある。」

やはりウンチの本である。著者は獣医学から腸内細菌の研究に入った研究者。だから内容もそんな話である。人間のウンチは、約80%が水分。その残りの三分の一が食べ物のカス、三分の一が腸壁などの剥がれ落ちたもの、残りの三分の一が腸内細菌だそうである。そして水分が減ってくると便秘になる。70%くらいで便秘、60%ではカチンカチンになるという。面白いことに女の半分は便秘だそうだ。これは、便意を催した時に直ぐに出さない習慣をつけてしまったことによるものだという。ルイ王朝の17世紀のパリではトイレがなく人々は至る所で用を足したという。ベルサイユ宮殿にさえトイレは無かった。排泄行為に対する羞恥心が欠如していたのだそうだ。この羞恥心と一緒に便秘が始まったという。当たり前の行為だから、何も恥ずかしがることなく堂々とすればよかったのかも。まあ、文化とはそんなものだろう。何年かすると、人の前で食事も出来なることになるのかも。

腸内細菌のありようによって、匂いや色などが違ってくるそうだ。腸内細菌というと大腸菌が連想されるが、実際にはそれはかなりの少数派だという。そして腸内細菌は食べ物によっていろんな種類が増えたり減ったりする。食物繊維などでは善玉菌が増え、ウンチも薄い色になり、臭くなくなる。タンパク質が多くなると黒ずんで悪臭が強くなるという。おならもコレと同じ傾向で、臭みも違うという。草食系のものではメタンやその他無臭の成分が多いが、肉食系のものは匂いがひどい。そしてこのおならを我慢すると、その成分は腸から血液中に吸収され、最後には肺から呼気の中に出てくるという。悪生物質を血液中に取り込むので顔色も悪くなり、せっかくの美人も台無しだ。

この本の結論は、便を見ながら自分の健康診断をせよ、ということだろう。なにしろ、体の中からの「お便り」なのだから。簡単に言えば食物繊維、発酵食品などは体に良いそうだ。味噌汁や納豆を食べて、ヨーグルトをたくさん食べよう。ヨーグルトは便秘にも、花粉症などにも効くそうだ。一日300gほど食べるといいそうだ。そしてバナナほどのウンチが2本位するりと出るのが理想だという。
明日はテニスに行けそうだ。今年もよろしく。